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ブルーオーシャン

破産申立におけるひと工夫

2014年09月22日更新

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ご無沙汰しています、弁護士の鈴木 真です。

 

ブログの導入時には週に1回は書くなどと意気込んでいたのですが、なかなか難しいものですね。

ネタはあるものの、日々、日常業務に忙殺され時間が取れないという。

前回のブログも、お盆の最中、正直に言ってそれほど忙しくない時期でした。

 

ということで、意を決して時間をとり、書いてみましょう!

 

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今回は、「破産申立のひと工夫」ということで、弁護士である私が、ご依頼を受けて自己破産の申し立てを行う場合のお話です。

 

さて、ここで破産事件について簡単に説明します。

 

法人でも個人でも、借り入れが増えてしまい支払不能となると、破産を申し立てることになります。

 

破産の申し立てをして、裁判所において破産の「開始決定」という決定がされると、破産を申し立てた人(法人も含む)は「破産者」になります。

 

一般的には、破産というとイコール「お金をもう支払わなくて良い」ということと思われがちですが、厳密にいうと、違います。

破産者になると、その後、破産者の財産を債権者に対して分配するという手続と、破産者が債権者に対してもうこれ以上債務を弁済しなくて良いという効果(「免責」と言います。これが一般の方が「破産」と聞いてイメージする効果ですね。)を破産者に与えて良いかを審査する手続の二つが進んでいくことになります。

この二つの手続は、裁判所が選任した「破産管財人」という弁護士が行うことになります。

 

そして、破産者が個人の場合、債権者に対して分配するお金が無く、免責についても管財人の調査が必要無いと考えられる個人の破産については、破産の「開始決定」の時点で、「同時」に破産手続を「廃止」して進行しない「同時廃止手続」というものがあります。この同時廃止の場合には、破産管財人が選任されません。

 

弁護士が、ご依頼者様から自己破産の申し立てを依頼された場合にまず考えるのが、管財手続になるのか、同時廃止手続で行けるのかということです。

 

この点は、実は大きな違いであり、同時廃止手続の場合、ご依頼者の方が裁判所に納める費用は、1万数千円(平成26年9月22日現在、10,584円の官報公告費用と予納郵券(切手のことです。)代)で済みます。

これに対し、管財手続になると、予納金として官報公告費用、郵券代のほか、管財人への引継ぎ予納金として最低でも20万円が必要になります。

 

その時点で、20万円も持っていないという人でも、借り入れの理由に問題があるなど、管財人の調査が必要と考えられると、20万円を工面しなければ、破産手続を開始することができなくなるのです。

 

破産の申し立ての際には、通帳のコピーを裁判所に提出します。

ここで、自己破産の依頼を受けた方の通帳に、様々な個人名の振込先に対して、色々と金銭を送金している記録があり、しかもそれが多額だったとしましょう。

 

この場合、裁判所が考えることとしては、「なんだか送金が多すぎる。破産の前に財産隠しをしているのではないか?」ということです。

何の説明も無く、裁判所の書式と、必要とされている資料だけをくっつけて申立をすると、管財事件になってしまうかもしれません。

 

そこで私自身は、破産の申し立ての際、通帳からの送金やその他説明が無いとどういう状況か分かりづらいことについては、ご本人から事情を良く聞いて、詳細な報告書を作成して、説明に必要な資料を添付してから申立をしています。

この報告書は、法律で要求されたものでもなく、また、裁判所の書式にあるものでもないのですが、しっかりとした説明をすることで、裁判所から管財手続にする必要は無いと考えてもらい、同時廃止手続として手続を進行してもらうことについて意義があることだと思っています。

 

このひと工夫で同時廃止手続になるのであれば破産申し立てをされるご本人にとってもメリットですよね。

 

このような報告書を作るにあたっては、裁判所としてはこういう方針で管財事件と同時廃止事件の振り分けをしている、あるいは、同時廃止事件としての申し立てをする際にはこういう点に気を付けて欲しいと考えているのだと分かっていないと、作ってもピントはずれのものになりますから、勘どころがあり、これを知っているか否かは大きな違いになります。

私自身は、弁護士会の有志で結成されている倒産法研修会の研修(裁判所から裁判官、書記官が講師として来てくれることもあり、裁判所の実情が非常によく分かり勉強になります。)で裁判所の考えを理解し、また、今までの多くの事件を処理するなかで、直接に裁判官から指摘を受けた点なども、その後の破産の申し立ての際に活用しています。

 

ただ申立をするだけではなく、一工夫を。

このような、経験と知識による付加価値を付けられるかが、専門職としての存在意義だと考えています。

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