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ブルーオーシャン

衝突実験から分かる交通事故の過失割合

2015年02月23日更新

衝突実験後写真

弁護士の鈴木 真です。

 

突然ですが、皆さんは

自研センター

ってご存知ですか?

 

昨年12月の二日間、千葉県にある自研センターという施設で交通事故に関する研修を受けてきました。

 

自研センターとは何ぞや、というと、

 

「1973年の創業以来、損保業界、自動車関連業界のご支援の下に、カーユーザーの利益の増大と合理的な車社会の実現を目指して取り組むとともに、自動車の損傷性・修理性を研究する各国センターの国際会議の場であるRCAR(Research Council for Automobile Repairs)にも参画しながら、自動車の物損事故の修理分野を中心に次の通り事業活動を展開しています。」

 

というのが、自研センター自身による説明(自研センターのホームページ(http://www.jikencenter.co.jp/company/02.html)からの抜粋。)ですが、これだと何のこっちゃ分かりません。

 

私なりに簡単に説明すると、

損害保険会社の出資で設立されて、損害保険会社の調査員(アジャスター)の教育・研修をしたり、交通事故に関する研究を行ったりしている機関

です。

 

損害保険会社は、不幸にも交通事故に遭われた方の損害の填補のために支払を行いますから、この支払いを適切なものにする必要があり(払うべき事故に払うべき保険金を支払い、逆に虚偽の事故の報告などは見破らないといけない)、その目的を達成するために日々研究をしているということですね。

 

ということで、自研センターでは、普段は損保会社のアジャスターさんや、弁護士でも損害保険会社の代理人を務める顧問弁護士が研修をしていたりします。

 

損保会社の顧問弁護士以外の弁護士に対しても研修を行うコースがあり、今回、これに参加する機会を得られましたので、研修に行ってきたというわけです。

私の事務所は損保会社側の代理人になることもあるのですが、交通事故の被害者として損保会社を相手に訴訟をすることの方が多い事務所ですので、私の立場からすれば、保険会社側がどのような研修を行っているのか、

 

相手の手の内を知ることができる

 

という期待があったのは言うまでもありません。

 

 

研修の内容は、実際の自動車を使って、壁に衝突させ、その損傷具合を見るなど(衝突実験。写真参照)の研修と、講義の大きく分けて2本立てでした。

 

結論としては、実験はインパクトがありましたが、やはり講義の内容が非常に役にたったなー、という感じです。

 

例えば、

 

「塗膜がこういう風に擦れていると、こういう衝突角度だったということが分かる」

(衝突の態様に関する相手の嘘を見抜ける。過失割合の争いがある事案で役に立つ。)

 

とか、

 

「歩行者(成人男性)を自動車がはねた場合に、被害者の頭部が車のボンネットではなく、フロントガラスに衝突するということは、自動車は時速●●km/h出ていたということが分かる」

(相手がそれほど速度は出ていないと言っていても、自動車の傷から嘘が分かる。)

 

とか、

 

「●●km/hの速度が出ていた自動車が、壁(動かない物)へ衝突した場合の自動車の損傷と、△△km/hの速度が出ていた自動車が、自動車に追突した場合の自動車の損傷の程度が同じである」

 

(衝突実験の写真はたくさんあるので、追突された自動車の所有者から依頼を受けていたとすれば、追突してきた相手の車の損傷の程度と、壁に対する衝突実験の写真のうちから損傷の程度が同じものを見つけ出すと、相手の自動車がどの程度のスピードだったのかが分かる。)

 

とかいう情報です。

 

 

普段到底見られないであろう実験を見られただけではなく、今後の業務に非常に役立つ二日間でした。

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